全固体電池の研究開発を支える特許技術を開発、東陽テクニカ

東陽テクニカは、自社開発の全固体電池の電解質評価ソリューション「高周波インピーダンス測定システム」に搭載のプローブで特許を取得した。測定試料を挟み込む電極間の電気的な絶縁性を格段に向上させ、さらに電気絶縁性が環境温度の変化から受ける影響を極めて小さくするプローブ技術。


同社では、特許技術により「高周波インピーダンス測定システム」は、80K~473K(-193℃~200℃)の広い温度範囲でも100MHzの高周波インピーダンス測定を正確に行うことでき、全固体電池の構成材料である固体電解質の粒内および粒界の各反応抵抗の測定ができるシステムだという。

インピーダンスアナライザとクライオスタット機能付サンプルホルダとを組み合わせ、自社開発の専用制御ソフトウェアによって、温度可変とインピーダンス測定を完全自動で行う。最大100MHzと、従来に比べて 2 桁高い高周波での正確なインピーダンス測定を世界で初めて実現したという。

近年、携帯電話やノートPCなどのモバイル機器やEVなどにリチウムイオン二次電池が使用されている。さらなる高性能化への期待が大きい一方で、相次ぐ発火事故で安全性が問題視されている。

全固体電池はこのリチウムイオン二次電池の電解質を可燃性のある液体から固体に変えた電池で、従来のリチウムイオン二次電池より、高エネルギー密度・小型・軽量など優れた特性を持ち、次世代の電池として注目されている。特に、EVにおいては航続距離を延ばす究極の電池として期待されており、トヨタ自動車は2020年代前半に、世界に先駆けて全固体電池の実用化を目指すことを発表、注目されている。