システムは、ウェザーニューズとKDDIの協業で基地局に設置している全国3000カ所の気象観測装置「ソラテナ」や、ウェザーニューズが独自に収集している全国1万カ所の気象データなどを活用することで開発されたシステム。ドローンを運航する上で、必須となる気象情報を業界初となる250メートルメッシュ、高度10メートル単位で情報提供することで、ドローンを使用する事業者を支援する。
国土交通省「無人航空機に係る事故情報等の一覧」によると、2015年12月から2018年9月に発生したドローン墜落などの事故158件の内、強風や雨など気象に起因した事故は約15％に上るという。従来のドローン向け気象情報は2キロメートルメッシュ、高さ50メートル単位が主流だが、安全運航のため、よりきめ細かい気象予測が求められている。
さらにドローンが従来の気象情報をもとに運航し、危険な気象エリアを回避しようとした場合、ドローンは大きな迂回が必要となり、バッテリーなどに大きな負荷がかかるなど課題がある。ウェザーニューズによると、今回提供開始したシステムはそのような迂回を最小限に止めることができる。また、事前に飛行可能ルートの選択肢を多く提供することで、ドローン運航の最適化に寄与するという。上空150メートルまでの風予測もピンポイントに10分間隔で確認できるため、気象要因による事故の予防にもつながる。
例えば、人手不足が深刻な農業分野において、ドローンによる農薬散布時に、風予測から区域外への農薬飛散を防げる。また、全国各地の気象情報をピンポイントで提供するので、工事事業者がドローンを活用したインフラ設備などの点検時や測量を行う際や、災害現場で建物の倒壊や土砂崩れなどの恐れがある危険な場所での状況確認や捜索活動を行う際などのドローン運航を支援する。