あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術の発展が著しい。昨今、その採用分野は多岐にわたっていて、社会インフラなどのIoT化、あるいは街ぐるみのスマート化が実証され始めている。
各種デバイス等からデータを収集するネットワークの多くは無線通信による。その一つ、Wi-SUN FAN(フィールドエリアネットワーク)は、Wi-SUNアライアンス(参考:総務省PDF)制定の国際無線通信規格であり、スマートメータリング、配電を自動化するスマートグリッド、インフラ管理、高度道路交通システム(ITS)、スマートシティで用いられるセンサ、メータに搭載するIPv6で多段中継(マルチホップ)可能なものだ。
そして、京都大学 原田研究室、日新システムズ、ロームの3者は、英Armの協力を得て、Wi-SUN FAN準拠のソフトウェアスタックをIoTデバイス組込み用基本ソフト「Mbed OS」に対応させ、さらにこのハードウェア上に、ArmがIoTデバイス管理サービスの構成要素として提供しているクライアント機能を実装し、Wi-SUN FANのネットワーク経由でIoTプラットフォーム「Arm Pelion IoT Platform」への接続とデータ送受信を行わせることに成功したと11月12日発表した。
各種センサデータの収集とクラウドでの表示を実現した。Pelion IoT Platformの接続によって、Mbed OS上で動作するWi-SUN FANを搭載した多数のデバイス管理を、個別にセキュアに簡単に行える。Mbed OSには様々なライブラリやサンプルコードが用意されているため、Wi-SUN FANを用いた様々なアプリケーションを迅速に開発することが可能になるという。
今回の成果は14~16日に組込み総合技術展(日新システムズとArmのブース)にて披露され、来月5日、Arm社イベントにて詳説される予定だ。