企業の経理・財務部門は、ほぼ毎年の会計制度変更への対応、M&A等に伴うガバナンスの徹底などを図りつつ、厳しい競争環境下でも事業拡大、生産性アップに向けた業務プロセスの改善を迫られている。
さらに、労働力の減少や政府による働き方改革の推進もあり、一層の効率化と省力化へのニーズが高まっている。一般的な業務でソフトウェアロボットなどの導入・活用が進んでいる一方、専門性の高い経理・財務部門の業務は、仕様などに万一ミスがあった場合に会計監査などで指摘されるため、それらがあまり進んでいないのが実態だという。
日立システムズは会計・財務のプロ集団グローウィン・パートナーズと連携し、ソフトウェアロボットによる自動化手法=RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を活用して経理業務を効率化する「経理自動運用シナリオ」を提供する。同製品は、会計システム「SuperStream-NX 統合会計」に関連する準備作業や後処理の工程も含めて、これまで手作業で行っていた定型的な経理業務を自動化。RPAツール・レディなのですぐに利用開始し、短期間・低コストで業務の自動化が図れる。
例えば、為替レート登録シナリオには為替レートのログ管理機能があり、前渡金の残高管理シナリオでは、取崩結果が会計システム残高と一致しているか確認する仕組みがあるなど、実務上考慮すべきポイントとなる「ログ管理」や「入力情報の正確性」等を管理する設定により、作業の属人化や入力ミスを減らし、業務効率化を実現。事前検証では作業時間が90%超削減された例もあり、大きな導入効果が期待できるという。
財務・経理部門の業務を単に自動化するのではない。同製品には、豊富なコンサル実績を持つグローウィン・パートナーズの知見が生かされていて、「整合性」や「正確性」、「不正検知」など内部統制の視点を考慮し、不正やミスを防ぐシナリオが盛り込まれているという。