富士通は、全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が行う、全国銀行協会(全銀協)の「ブロックチェーン連携プラットフォーム」を利用した資金決済システムへのブロックチェーン技術の活用可能性に係る実証実験について、アプリケーション開発ベンダーとして採用されることが決定した。
実証実験では、理事銀行の参加のもと、銀行間資金決済専用のデジタル通貨(以下、決済用デジタル通貨)を用い、小口取引を対象とした即時決済(RTGS)方式による、経済効率の高い新たな銀行間資金決済の仕組みに係る機能検証を行う。
富士通は、実証実験のICT基盤である新銀行間決済プラットフォームをブロックチェーンによって構築・提供を行う。また、2017年度にメガバンク3行と開発を行ったP2P送金プラットフォームを活用し、銀行間資金決済のトリガーとなる他行宛送金取引を発生させることで実証実験のサポートを実施する。
また、ブロックチェーン技術の有用性を確認する。具体的には、決済用デジタル通貨の発行・流通・回収について、以下のフローによる検証を行う。
まず、各銀行からの申請に基づき、全銀ネットが各銀行向けの決済用デジタル通貨を新銀行間決済プラットフォーム上で発行する。次に、銀行間資金決済の必要性が発生した都度、新銀行間決済プラットフォーム上で仕向銀行の決済用デジタル通貨を被仕向銀行に価値移転させることでセトルメント(銀行間決済)を実施する。各銀行からの申請に基づき、全銀ネットが各銀行向けに発行した決済用デジタル通貨を新銀行間決済プラットフォーム上で回収する。
富士通では実証実験を経て、キャッシュレス社会の実現に向け、先端技術を活用した新たなプラットフォームの確立を目指していく。