構成の違う2つの文書の内容を比較して対応づけるAI技術、リコーが開発

リコーは、構成の違う2つの文書の内容を比較し、文や段落を自動的に対応させて重複や差異を明確にできる人工知能(AI)を活用した自然言語処理技術「ディープアライメント」を開発した。


このAI技術は、ディープラーニングによって学習した語句の意味に基づき、語句の意味だけではなく、語句が属する文や段落の意味の近さも考慮。出現順序に依存せずに文や段落同士を対応づけるアルゴリズムを考案し、より一般的な文書の対応づけに適用することに成功しているという。

例えば、2社で交わす契約書について、双方が作成した内容を比較し、契約書内で同様の内容を述べている部分や過不足を一目瞭然にできる。文書チェックの時間を大幅に削減する。

リコーの法務部門での実務においてPOC(概念検証)を行った結果、人手では約24時間を要する482条文の契約書の対応づけを1分で実行でき、内容チェックの大幅な時間短縮と品質アップに貢献。また従来のテキスト分類技術と比較した結果、2倍以上の対応づけの精度が得られている。

リコーは、2017年AI開発に関する専任組織「AI応用研究センター」を設立して、AIの製品への搭載や、社内の業務改革への適用などに取り組んでいる。進化の速いAI技術分野では、自社のみで全ての技術を用意するのではなく、パートナーとの連携が必須となる。リコーは、独自性のある高度な技術開発を進め、先進的なパートナーとの協業を加速させることで、世界トップレベルの技術を開発することをめざしており、今回のディープアライメントの開発もその一環となる。