公共工事の見積り誤りの可能性がある箇所をAIが検知

富士通は、公共工事の設計・積算を支援するソフトウェア「FUJITSU 公共ソリューション SuperCALS ESTIMA V6(スーパーキャルス エスティマ V6)」(以下、ESTIMA)に、工事費の設計積算(見積り)誤りの可能性がある箇所を検知し通知する機能を追加した。この機能は、同社のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(以下、Zinrai)」を活用している。


ESTIMAは、自治体が公共工事に必要となる材料や機材、および数量を算出し、工事費総額の積算および設計書の作成支援を行うソフトウェアだ。

今回、過去の積算データを分析した学習モデルをもとに類似する工事実績を抽出・比較することで、積算の誤りの可能性がある箇所を自動で検知し通知する機能を搭載した。これにより、自治体職員が多くの人手と時間をかけている積算結果のチェック作業の大幅な効率化が図れるという。

具体的には、Zinraiの技術を用いて、約1万種もの材料や機械の価格変動も考慮して積算された過去の積算データを分析した学習モデルを構築し、類似する工事実績をAIが自動抽出・比較し、積算結果に誤りの可能性がある場合に利用者に通知する機能を開発した。

公共工事の品質とその担い手確保に向けて、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が2014年6月に改正されて以降、各自治体では公共工事の積算結果を複数の職員が目視で精査している。

しかし、工事ごとに施工方法や現場条件が異なるため、積算結果の確認には高い専門スキルが不可欠だった。また約1万種もの機械や材料の価格変動も考慮する必要があり、工事の規模によっては積算結果の帳票が数百枚におよぶ案件もあるため、多くの職員が多大な時間を費やしていた。

その上、昨今の度重なる自然災害や高度成長期以降に整備された社会インフラの老朽化により、公共工事の件数は増加。こうした自治体の業務負荷の高まりが大きな課題となっており、積算を効率的に行う施策が急務となっていた。

これらの課題を解決するため、富士通はAI技術を活用し、迅速に積算誤りの可能性を検知し通知する機能を追加開発することでESTIMAの機能強化を図ったという。

ESTIMAの提供価格は、設計積算システム(本体)と積算誤り検知支援が132万円から。学習モデルについては個別見積もりとなっている。2020年度末にESTIMA関連ビジネス売上累計約20億円を目指す。