TIS、ビッグデータ関連ビジネス拡大に向けてtoorに出資

TISは、AI(人工知能)関連のベンチャー企業への出資を行う「AI特化コーポレートベンチャーキャピタル」(以下、AI-CVC)から、階層クラスタリング分析によるビッグデータ解析プラットフォーム「toorPIA(トピア)」を提供するtoorに出資したことを発表した。


toor社は2012年1月に設立され、これまでに道路劣化診断、機械故障予知・保全、車両の安全管理など様々な分野で「toorPIA」を用いた評価を行ってきた実績を持つスタートアップ企業。同社は、TISが運営するコワーキングスペース「bit & innovation」を利用しており、今回の出資ではbit & innovationの利用登録が契機となり実現した。

toorPIAは、一億を超える高次元のビッグデータの高速なクラスタリングとその結果を可視化(マップ化)することで、「異常値のリアルタイムな監視の実現」や「学習データの収集が困難な機械学習による予測モデルが作りにくい領域での異常値検出のアルゴリズム設計」を可能にするビッグデータ解析プラットフォーム。

TISは、製造現場、医療現場など事業の現場でのリアルタイム分析を求められる分野への、toorPIAを利用した解析サービスの提供を目指す。また、toorPIAを活用した実用的なビッグデータ解析の経験を通じ、今後、需要が増加するAI分野を含めた課題に柔軟に対応できるデータサイエンティストの社内での迅速な育成を目指すという。

AI-CVCは、TISの既存の「コーポレートベンチャーキャピタル」より出資枠の上限を拡大し、AI分野に特化したベンチャーキャピタル。出資対象は、アーリーからミドルステージの急成長期にあるAI関連のベンチャー企業を想定し、出資先の発掘から最終決定までの出資判断を、最短1カ月程度で行う。

また、AI関連サービスの展開とAIビジネスに興味を持つ顧客基盤や多様なパートナーとのパイプを持つTISのAIサービス事業部が、出資先に多面的な支援を行いながらマーケットにアプローチできる点が特徴である。