IoTによる社会課題解決を 京都市中央卸売市場で導入実証実験が始まる

テクサー、凸版印刷、京都高度技術研究所は、LPWA(低消費電力広域)ネットワーク規格の一つである「ZETA(ゼタ)」を活用したIoTインフラ整備に関する京都スマートシティ化実証事業の連携・協力について協定書を締結し、2018年10月から2019年3月まで京都市中央卸売市場でIoT導入実証実験を行うことを発表した。


ZETAとは、ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB:Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域での分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWAネットワーク規格だ。

IoT向けデータ通信において、少量のデータを多数のIoT端末から収集する方法として、省電力性と広域性に優れるLPWAネットワークが注目されている。LPWAの規格の一つであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。

今回の実証事業では、ZETAを活用したアプリケーション開発、ZETA通信モジュールを搭載したセンサ・デバイスの開発、地域産業振興、新産業創出、まちづくりなどに関して、相互に連携・協力することで、地域中小企業の活性化や市民生活の向上など、地域社会の発展を図ることを目的とする。

具体的には、店舗や倉庫など温度を一定に保つ必要がある区域に複数の温度センサーを設置。温度を常時モニタリングするとともに、変化が想定を超える場合の警報などのシステムの有効性を検証する。

また、廃棄物の集積を認めていない場所・時間帯に人感センサーや複数のセンサー類を設置し、監視する。投棄や侵入を検知した場合に、警備員に通報するなどの監視システムの有効性を検証する。

さらに、市場内で使用されている運搬などの作業車両に発信器を取り付け、市場内の複数箇所に受信器を設置してこれらの移動履歴を分析。荷さばき場や車両の待機場などの適性配置を特定する。