クルマの電子高度化に対応する、高耐熱・低コストな部品実装補強材

車のデジタル変革、高度システム化がますます進んでいる。いま、自動ブレーキや車線変更、衝突回避などのADAS(先進運転支援システム)が進化しつつ、来るコネクテッドカーおよび自動運転時代に向けて、先端電子部品を多用した車載システムの高機能化が加速している。

車両に実装される半導体パッケージは、配線微細化が進み、はんだ接合部の面積が小さくなることによる接合強度の低下が課題となっている。また今後は、次世代自動車通信システム(IVI、参考資料:平成26年情報通信白書)によるコックピットの情報集中化に伴い、半導体パッケージサイズの大型化が予想されているという。

パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、独自の樹脂設計技術、反応制御技術により、車載部品の実装信頼性を向上させる「高耐熱性 二次実装アンダーフィル材 CV5794シリーズ」を製品化、10月に量産を開始する。

二次実装アンダーフィル材とは、半導体パッケージや電子部品などをマザーボード等のプリント配線基板に、電気的に接続できるよう配置する際、接続信頼性を維持・向上させるために用いる補強材であり、液状樹脂タイプは対象物の周囲への塗布によって基板とパッケージ間に侵入し、その後の熱硬化によって不溶不融の硬化物となる。

今回量産されるそれは、基板との熱収縮差を抑制し、はんだボールにかかるストレスを低減。-55℃~125℃での温度サイクル試験で5,000サイクル以上でも、はんだ接続部分の剥離やクラックが発生せず、車載部品の実装信頼性の向上に貢献する。ほかに、「高い流動性で、大型半導体パッケージ(20mm角以上)の実装補強にも対応」、「冷蔵保存ができ、取り扱いが容易で、輸送コストの削減に貢献」といった特長を備えている。

CV5794シリーズは今月5日に開幕する「第1回 名古屋オートモーティブ ワールド2018」にて披露される。