睡眠の悩みを解消する"ウエアラブル×AI"プロジェクト始まる

寝る子は育つ。それは誰もが一回は言ったり聞いたりしたことのあるフレーズだが、ストレスフルな現代社会を生きて働く大人になると、誰もが一度は寝れない夜や、午前3時の不意な目覚めなんかを経験し、そんな日が続くと心まで不調になっていく――。

現在、日本人の5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えている。国民の睡眠不足がもたらす経済的損失は約15兆円にも及ぶとした米国ランド研究所の'16年レポートを引用しつつ、睡眠不足は疾患リスクの上昇に加え、生産性や創造性の低下にもつながることから、睡眠を改善することの重要性が注目されているという。

帝人フロンティアと、スマホアプリを通じて健康アドバイスを行う「パーソナルトレーナーAI」などを展開するヘルステックベンチャーFiNCは、睡眠に関するソリューションサービスの提供に向けた共同研究を実施するために業務提携することで合意。これに伴い、帝人フロンティアはFiNCが実施する第三者割当増資の一部を引き受ける。

FiNC保有のAI技術およびヘルスケア領域の知見と、帝人フロンティアのウエアラブル技術とを融合させることにより、睡眠領域においてこれまでにない製品やサービスの開発が可能であると判断。このたびの業務提携に至ったという。両社は、当初の取り組みとして、睡眠に関するセンシング技術とAIチャットボット技術との融合による共同研究を実施する。

帝人フロンティアのウエアラブルデバイスから得られる睡眠情報を蓄積し、その情報をFiNCのAIチャットボットで処理することにより、スマホアプリを通じてAIや専門家からの指導を受けられるパーソナライズAIサービスの開発をめざす。今後ますます社会的ニーズの向上が予想されるヘルスケア領域において、たとえば高齢者とその家族および専門家をつなぐ見守りサービスなど、多様な製品・サービス、新たなソリューションを共同で創出していく考えだ。