工場IoT、作業ナビ×画像センシングでミスをゼロに

IoT(モノのインターネット)技術はいま、産業や社会インフラ、ヘルスケアなどの分野で活用が進展している。その嚆矢はものづくり現場でのデジタル変革であり、なかでも組立系は、今後もしばらくIoT市場を牽引していくだろうと、ITアナリストらが予測している。

少量多品種生産の現場に導入されている従来の組立支援システムでは、品質確認ポイント等の注意喚起ができず、部品ごとにLEDや光電センサの配置とこれらの制御にPLC(シーケンサー)も必要となり配線が多くなる。多数の機器によるラインの新設や変更に時間を要し、設備費用が高額になるうえに、人の作業の可視化や分析・改善へつながるIoT活用も課題だったという。

OKIは、プロジェクションマッピング技術と画像センシング技術を活用し、組立作業ミスのゼロ化を支援する「プロジェクションアッセンブリーシステム™」を販売開始。同システムは、ものづくり現場におけるIoT活用実績やノウハウを活かし開発したシステムだという。

光による作業誘導をプロジェクターへ変更し、人の動作センシングを高精度化して、ラインの容易な立上げや変更、組立作業教育の負荷軽減、作業ミスの大幅な削減を実現して、設備投資費用を約25%低減した。OKI富岡工場のシステムをベースに、多彩な製造企業で活用できる汎用ソフトウェアとした。

今回のシステムは、顧客が自身の作業台に応じた表示内容/エリア、動作認識の設定、組立工程の手順作成・変更をエクセルファイルで行える。そのうえ、作業結果をデータ化し、「作業時間のばらつき具合の見える化」を実現して問題発生箇所の特定ができるという。

同社はここにERPやMESとの連携や、作業分析・フィードバック機能などを追加していくとともに、人・物の位置情報管理による取りそろえ作業等の効率化、製造装置の可視化や保全など、あらゆる現場情報の活用ソリューションを提供していく構えだ。