AIにて従業員の休職リスクを予測

少子高齢化という根源的な課題を抱える日本は今後、超高齢化社会をゆく――。労働人口減少を背景に、従業員が健康で働き続けられる環境の整備はいま、ビジネスの発展をめざし持続可能性を追求する企業において、ビジネス自体と同様、とても重要である。

そこで、「健康経営」(NPO法人登録商標)が注目されている。一方で、健康経営に継続的に取り組むためには、計測可能な定量指標に基づくPDCAサイクルの実践が求められるが、現時点では実務で活用できる分かりやすい指標が存在しないとの見解もあるという。東京海上ホールディングスNTTデータMICINの3社は、一致協力して、「健康経営」実現のために、企業における従業員の休職リスクを予測する技術を開発した。

東京海上グループの健康経営支援の実績や、MICINの医療領域におけるAI(人工知能)の開発・解析技術に加え、NTTデータがヘルスデータバンク等を通じて提供してきた産業保健における業務支援および健康診断結果や勤務時間などのデータ分析のノウハウをもとにして、予測技術を開発し、一定の予測精度を得られた。今回の技術を利用する企業は、対処すべき重要な健康リスクを定量的に把握できるようになる。

リスク予測にとどまらず、そのリスクへの対応策をとれるよう、東京海上日動火災保険の健康経営支援ノウハウ、メンタルヘルス対策を含む産業保健領域における東京海上日動メディカルサービスのノウハウとともに、MICINのオンラインでの健康支援技術を活かし、付加価値の高いサービスの実現を目指す。これらを支える仕組みとして、ヘルスデータバンク等を含むシステムサービスをNTTデータが提供していくという。

同技術は、今年度内に複数の企業で健康経営に関する施策の企画・検討に利用される予定であり、上記3社は予測結果に基づき必要とされる対応策の実行支援などを含む包括的なサービスの検討も進めていく構えだ。