ビットコインなどに紐付けて賛否両論される「仮想通貨」は、本来人々の生活を豊かにするデジタル革命を推進し、キャッシュレス社会を実現するしくみだ。それゆえに仮想通貨/デジタル通貨は、数国の中央銀行により法定通貨としてのポテンシャルが認められその研究が行われている。
現在、デジタル通貨の一種である仮想通貨は、コミュニティや法人グループにより管理されている。信用の裏付けと価値の安定があれば、その域内で電子マネーのように決済にも使える。仮想通貨の発行は、平成28年の改正によってその定義が追加された「資金決済に関する法律」(通称、仮想通貨法)に従って行える。
また、仮想通貨に利用される技術を用いて作られ、社内で利用されることに限定されたポイントなどを指す「社内仮想通貨」というものもあり、今月9日、東証一部上場企業のオルトプラスは、ソフトバンク・ペイメント・サービスの決済サービスを活用し、社内仮想通貨サービス「コミュニティオ」を10月から提供開始すると発表した。
「コミュニティオ」は、企業内における行動の価値算定を行う数値的なポイントに企業の独自名称をつけ、「社内仮想通貨」として発行できるサービスであり、これを導入した企業は、会社のミッション達成への貢献や規範的行動をとった社員への評価の一環として同通貨を付与できるようになる。そして、付与された通貨は、専用アプリを社員に展開することで、社員食堂やオフィスコンビニなどの社内施設で利用できる。
これにより、社員の自主的な行動の習慣化やモチベーションの最大化をめざす企業は、社員の能力や日々の業務での創意工夫、士気向上による業務の効率化などを引き出し、新しい働き方改革の推進が期待できるという。両社は、顧客基盤の拡大と将来におけるサービスラインアップの拡大、新たなビジネス領域の開発へ伸展させていくよう、企業への「コミュニティオ」の展開を推進していく構えだ。