半導体の性能向上に貢献するホウ素の分析強度を強化

東北大学は、電子顕微鏡用軟X線発光分光器(SXES)を改良し、ホウ素の分析強度を3倍以上に高めることに成功したと発表した。

ボロンとも呼ばれるホウ素は、鉄鋼材料の強度向上に重要な元素として知られており、ホウ素添加量の調整が重要とされる。また、シリコン半導体デバイスは、局所的なホウ素の添加によってその機能を実現しており、極めて重要な元素である。ホウ素の添加量は0.01%程度と微量であり、検出と分布の可視化が、鉄鋼材料や半導体デバイスの高品質化や高性能化の鍵となっている。

東北大学多元物質科学研究所 先端計測開発センターの寺内正己教授、量子科学技術研究開発機構の小池雅人客員研究員、島津製作所、日本電子らの研究グループが成功した。同研究グループは産官学連携により、SXESを用いた発光分析システムを開発し、日本電子が2013年に商品化した。その後、鉄鋼材料や半導体デバイスの性能を左右するホウ素の分析強度向上に対するニーズが高かったことから、さらなる研究を共同で進めてきた。

SXESのさらなる性能向上のため、小池氏はホウ素の分析強度を高めるために最適化した分光配置とキーパーツである回折格子への増反射膜形成の設計を行った。この設計に基づいて、島津製作所において回折格子を作製し、寺内氏と羽多野氏によって回折格子表面へ希土類元素の成膜を施した。

最適化した分光配置を実現するように改造した東北大のオリジナルSXESに新しい回折格子を組込んで試作器を完成させ、テストした結果、ホウ素の信号強度が3倍以上に増強したことを確認した。

今後は、日本電子から販売中の汎用SXESに搭載して実用テストを開始する。また、理論上さらなる強度向上が見込めることから、鉄鋼材料や半導体材料に添加された濃度10ppm(ppm;濃度を表す単位。10ppmは0.001%)以下のホウ素の検出やその分布の可視化を可能とするSXES開発に繋がる可能性がある。

このような装置が汎用化すれば、鋼板の軽量化や高強度化による自動車の燃費向上や、半導体デバイスの高効率化による省エネルギー社会の実現への貢献が期待でき、日本の産業力の向上に寄与することも考えられる。

鉄鋼材料や半導体の性能向上に貢献するホウ素の分析強度を3倍以上に向上させることに成功


カテゴリー: 情報通信 , 製造   

大島 純一郎

大島 純一郎Author

証券系システムエンジニアやIT系資格対策問題集の編集、IT系Webメディアの編集記者などの経歴を生かして、企業向けIT関連の記事制作に携わる。専門は、IT、金融、医療分野。医療情報システムの企画/構築、運用に関する知識を有する専門者としての資格、医療情報技師、情報セキュリティアドミニストレータの保有者。

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