インフラ点検・災害対応ロボット普及のための人材育成に着手、NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、インフラ点検や災害対応分野におけるロボット活用加速や普及拡大を目指した人材育成事業に着手する。

NEDOと経済産業省が公表した同分野におけるロボット性能評価手順書とその性能評価試験を行う場となる福島ロボットテストフィールド(RTF)の社会的認知の向上や社会受容性の醸成を目指し、「人材育成講座」「人的交流」「周辺研究」を一体的に実施する。

この事業は、製造科学技術センターを委託先として2018年度~2020年度の3年間実施するもの。

ロボットメーカーや将来のユーザーとなり得る方、また橋梁やダムなどを管理する地方公共団体などを対象とした、ロボット性能評価手法、RTFでの試験方法などに関する講座を実施。開催場所は福島県のほか、全国主要都市から選定する予定。

また、上記講座の受講を通じて、ロボット性能評価手法、RTFでの試験方法などを理解した受講者に対して、RTFに設置される試験設備や測定機器の標準的な試験方法の運用に関する知見を体得する実践的実習を実施する。この実習は、福島県と連携しつつ、受講者自らが関連するロボットなどを持ち込み、RTFの有用性検証を行うとともに、RTFの実活用またはビジネスインを想定した企画構想やその実践を求める取り組みも実施予定だという。

さらに、ロボットメーカーや将来のユーザーとなり得る方を含めた一般聴講者を対象に、ロボット性能評価手順書に関するシンポジウムを毎年度開催する予定。シンポジウムでは、ロボット性能評価手順書の社会的認知の向上や社会受容性の醸成を目指します。また併せて、人材育成講座を実施した講座の成果など関連した情報発信を行う。

NEDOでは福島県と連携して、福島県の地場事業者との交流会やコンタクトの機会を設けるためのマッチングイベントも開催する。

今回の事業では、ロボット性能評価手法の見直しおよび改訂、RTFの試験設備や測定機器の適時改修などの課題の取りまとめの検討を実施する。ロボット性能評価手法の見直し、改訂にあたっては、有識者で構成する委員会の実施や、人材育成講座の受講者が実践して得られた知見やノウハウ、海外の標準化活動の動向、ロボットメーカーや対象ロボットを活用する地方公共団体などのヒアリング調査なども併せて実施する予定。