靴のインターネット×ブロックチェーン、歩き方で認知症を予防

昨今巷で話題のIT(情報技術)は、様々な物事をスマートにするAI(人工知能)。そしてその前段でビッグデータを生成するIoT(モノのインターネット)であり、プロフェッショナルの間では、データの改ざんを著しく困難にするブロックチェーン(分散型台帳)もまな板に載っているだろう。

それらは金融および産業界のみならず、町と市民生活にプラス変化をもたらし、医療分野でも活用されつつある。今月26日、OKIZBBnnfの3社は、加速度センサや角速度センサ、無線通信機能を組み込んだ靴を活用して、歩行時の足の運び方の分析から行動変容につなげる仕組みの実証実験を8月より進めると発表した。

歩行やスポーツ時のフォーム分析により、適正姿勢への誘導、糖尿病や認知症などの早期発見や未病/予防に効果的な行動促進などへの応用を目指すという。OKIは今春より健康長寿社会の実現を目標にIoTを活用した「医療・介護」の新事業を検討していて、 ZBBは企業向けにブロックチェーンを活用した行動変容後押しプラットフォームなどを開発し、nnfはアーティストやパフォーマー向けスマートフットウェアを開発している。

そして3社は今回、nnfの「ORPHE TRACK」と、OKIとZBBが共同開発した「Yume Coin」を組み合わせ、歩行異常を早期発見する仕組みと、その行動改善を推進する仕組みを開発した。ORPHEの各種組込センサを活用して――歩幅・速度・距離を測るふつうの歩数計やスマホアプリでは測定できない――足の着地角度や運び方等を3次元的に分析する。

糖尿病や認知症で特徴的な狭い歩幅で足を持ち上げずに歩く兆候が発見された人に、正しい歩行姿勢や早歩きなどを一定時間行った際の報奨を付与する。機微データもセキュアに管理しているという。仕組みは31日、「イスラエル デジタルヘルスケア イノベーション最前線セミナー」にて披露される。