権現様のお膝元でフリーWi-Fi、災害時には飲料も

いわゆる「インバウンド」の客数は、観光局の推計によると6月時点でのべ約1,590万人。モノからコト消費に興味が移りつつあるとは言え、日本という国を知るための重要文化財や国宝探訪も、彼彼女らには相変わらず人気だ。

「パクス・トクガワーナ」を築いた家康公が祀られている日光東照宮は、1999年に世界遺産にも登録されていて、日本全国および外国からも訪れる人が多い――。いま、老若男女はスマホ片手に旅をする。旅に出れば、その国や土地のWi-Fiのつながり具合が気になり、高額請求を避けたい人は常にフリーのアクセスポイントを探している。

昨春、約40年ぶりの大修理によって「国宝陽明門」の輝かしい姿が蘇り、訪日外国人をはじめとする観光客のさらなる増加が見込まれるという。日光東照宮は、NTT東日本栃木支店、テルウェル東日本と連携し、境内に国内世界遺産で初となるWi-Fi及び災害対応飲料自販機(当地ミネラル水「天恵」も販売)を設置した。

表番所の自販機1台のほか、拝観受付所の2つのアクセスポイントで日・中・英語の「日光旅ナビ」が表示される"Nikko_Tosyogu_Free_Wi-Fi"に接続でき、日光市が参道エリアで提供する公衆無線LANサービス"Nikko City Free Wi-Fi"との併用により、利用可能エリアが拡大する。東照宮のフリーWi-Fiは、全国約17万アクセスポイントでもカンタン接続できるNTTBPの"Japan Connected-free Wi-Fi"アプリに対応――。

世界文化遺産の「社殿群」など日本の伝統文化や歴史を案内する環境を整えることで、観光・地域振興のさらなる発展に貢献でき、SNS等を通じてその魅力が多くの人へ伝わっていく効果に大きな期待を寄せている。日光東照宮では、災害時に情報と共に、非常食等を常備した上記自販機にて訪日外国人らにも飲料を無償提供するという。