日本銀行が毎月発行している「決済動向」を紐解いても、電子マネーの決済件数は、爆発...
日本銀行が毎月発行している「決済動向」を紐解いても、電子マネーの決済件数は、爆発的に増えたスマホの台数ほどでもない。そして一軒当たりの決済金額は、およそ毎月1,000円未満――。この事情は国民気質やATM網の発達具合なども関係しているだろう。けれど欧米では、モバイル決済率が日本と同様でも、カード決済が日本よりも遙かに普及している。
今日、日本は遅れているといった声をかき消す、"キャッシュレス"を飛び越えて"カードレス"社会の実現へ向かう、スマホさえ持たずにコンビニで買い物ができるようにする発表があった。お客がより便利に安心して利用できるクレジットカード決済を検討してきたという、イオンクレジットサービスが、ミニストップの一部店舗において、富士通の生体認証技術を活用したカードレス決済の実証実験を9月から開始するのだ。
実小売店舗における手のひら静脈認証を使ったカードレス決済の国内初事例となる。この度の取り組みによるサービスでは、事前に手のひらの静脈とイオンカードの情報とを紐付ける登録を行う。レジでの精算では生年月日を入力後、手のひらをかざすだけで決済ができ、カードを財布などから取り出す手間が省ける。
手のひらに内在する血管は本数が多く複雑な配置であるため、同認証は精度が高く、優れた本人特定能力を実現する。さらに、体内情報のため、外的影響を受けにくく安定して認証が行え、偽造が困難で安全に利用できるという。
イオンフィナンシャルサービスを含めた3社は、イオングループ従業員を対象に行う今回の実験結果を踏まえ、イオングループ各社における利用可能店舗を順次拡大する計画だ。