プラントIoT、回線やシステム等の準備なしにモータ監視をはじめる

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の導入機運が、特に製造業において盛り上がっている。しかしそれには新たなシステム予算と専門知識が要る。大企業でさえ人手不足に苦悩する昨今、「デジタル革命」を実現するにしても、中堅・中小企業でその計画を進めるのは容易ではない。

生産性の向上や、突然の故障による損失の削減を目指して、工場のIoT化は議論が活発だが、保全員の減少、特に中小企業においては専任者がいないこともあり、工場における保全力の低下を補える仕組みが必要とされているという。ロームは、同社提供の電池および配線不要の無線通信デバイスを採用したドーワテクノス社が、モータ監視IoTソリューション「リモータ・プロ」を開発したことを発表した。

モータの稼働状況・経年劣化を監視する「リモータ・プロ」は、センサユニット(負荷電流・漏れ電流・モータ温度・外気温の測定)、受信端末、モバイル回線、クラウド、監視画面アプリをワンストップで提供する。センサユニットを工場設備などの送水・送風・集塵に利用される大形商用直入れモータに取り付けることで、いつでも、どこでも、モータの状態監視が可能となる。

センサユニットは、エネルギーハーベスト(環境発電)で駆動可能なセンサと無線通信デバイス「EnOcean」で構成されていて、電源供給やデータ通信用の配線を不要とすることで、設置の手間を大幅に削減。そして、受信端末やモバイル回線サービスが組み込まれているリモータ・プロでは、ユーザーによる独自準備や契約が不要となる。

専用クラウドにモータ監視画面が装備されてあるので、ユーザーは納入された機器を設置するだけでモータ監視が開始できるという。「リモータ・プロ」は、すでに試験を開始している"振動測定"もラインナップに加えて――。8月に発売予定であり、来週、東京ビッグサイトで開催の「プラントメンテナンスショー」にて披露される。