運送業界の業務効率化に向けた実証実験を開始、ドコモら3社

ドコマップジャパン、富士運輸、ドコモは、ドコモの「AIインフォテイメントサービス」と、RPAサービス「WinActor」を活用し、ドライバーの日報作成から事務員の確認業務、請求データ発行業務といった運送業界で生じている一連のルーティン業務を効率化・自動化する実証実験を2018年12月21日まで実施する。

実証実験では、「DoCoMAP」の位置情報を活用した運送業向け音声エージェントサービスの実現にあたり、AIインフォテイメントサービスの「自然対話技術」、「行動先読み技術」を用いて、ドコマップジャパンが開発する日報自動記録アプリケーションの認識精度・動作性を検証する。また、自動記録された日報と、運行計画書の照合業務ならびに請求書作成業務にかかる事務処理作業をWinActorに代行させた場合の業務の正確性や、適用可能な業務範囲を検証する。

AIインフォテイメントサービスは、モバイルで培った音声認識技術と、クルマ用にチューニングした音響モデルにより高い認識率をベースにユーザーの発話の意図を理解しタスクを判定する「自然対話技術」、ユーザーの行動履歴からこの先の行動をサポートする「行動先読み技術」により最適な情報を配信する「ゆるやかナビ」を提供する。

また、WinActorとは、Windows端末で操作可能なあらゆるアプリケーション操作を学習し、プログラミング知識不要でPC操作を自動化するソフトウェア型のロボット。

現在、運送業界では人手不足や労働時間の長時間化などが課題となっており、業界全体としてさらなる経営効率化が必要な状況。ドコマップジャパンはこの解決に向けて、ドライバー、事務員の業務を効率化する運送業向け音声エージェントサービスを開発するにあたり、ドコモのAIインフォテイメントサ―ビス、WinActorを採用した。

ドライバーは、運転中に音声エージェントの問いかけに答えるだけで、日々の日報作成や業務の記録ができるようになる。作成された日報データは、クラウド上に自動でアップロードされるため、事業所に帰着した後、業務内容を思い出して日報を作成、修正するといった業務が不要。これにより、ドライバーの日報作成にかかる稼働時間を約80%削減することを目指す。

また、これまで事務員は、ドライバーが手書きで作成した日報と、事前に配送先や荷物の情報を定めた運行計画書の内容が一致しているかどうか、その都度目視で確認していたが、WinActorを活用することで、クラウド上の日報データと運行計画書の内容を自動で照合し、請求データ確定までの業務を自動化できる。事務員の事務処理にかかる稼働時間の約50%削減を目指す。