スパコン「京」、ビッグデータ処理性能ランキングで1位を獲得

理研、九州大学、東京工業大学、バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通、フィックスターズによる国際共同研究グループは、Graph500において、スーパーコンピュータ「京」による解析結果で、2017年11月に続き7期連続(通算8期)で第1位を獲得した。

大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析において重要となるもので、京は運用開始から6年以上が経過しているが、今回のランキング結果によって、現在でもビッグデータ解析に関して世界トップクラスの極めて高い能力を有することが実証された。

この成果の広範な普及のため、国際共同研究グループはプログラムのオープンソース化を行い、GitHubレポジトリより公開中。今後は大規模高性能グラフ処理のグローバルスタンダードを確立して行く予定だ。

Graph500の測定に使われたのは、京が持つ8万8,128台のノードの内の8万2,944台で、約1兆個の頂点を持ち16兆個の枝から成るプロブレムスケールの大規模グラフに対する幅優先探索問題を0.45秒で解くことに成功した。ベンチマークのスコアは38,621GTEPS(ギガテップス)だった。

Graph500第1位獲得は、京が科学技術計算でよく使われる規則的な行列演算だけでなく、不規則な計算が大半を占めるグラフ解析においても高い能力を有していることを実証したものであり、幅広い分野のアプリケーションに対応できる京の汎用性の高さを示すものだという。