2017年度のマネージドEDRサービス市場は前年度比2.5倍に

ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内のマネージドEDRサービス市場規模推移および予測を発表した。EDR(Endpoint Detection and Response)は、新しいエンドポイントセキュリティソリューション。

ITRが実施した調査によると、国内マネージドEDRサービス市場の2017年度の売上金額は3.5億円、前年度比2.5倍となった。近年、新たなエンドポイントセキュリティソリューションとして、EDRが注目されている。しかし、企業はEDRを導入しても適切に運用できなければ、マルウェア感染後の事後対応を迅速に行うことができない恐れがある。

そこで、セキュリティサービスベンダーが企業ネットワークに接続しているPCなどの端末にEDRエージェントをインストールし、SOC(Security Operation Center)で監視・分析を行い、マルウェアの検知や端末の隔離などの調査および迅速な対応支援を行う、マネージドEDRサービス市場が立ち上がった。今後、EDRの定着とともに参入ベンダーの増加が予想され、同市場のCAGR(2017~2022年度)は70.2%と急速に成長すると予測している。

ITRのアソシエート・リサーチ・フェローである藤 俊満氏は、「クラウドを用いてエンドポイントの不審な動きをリアルタイムに検知し、インシデントに対して早期の対応を可能とする新たなエンドポイントセキュリティとしてEDRの導入が進んでいる。しかし、EDRソリューションは、的確な運用を行わなければ機能を最大限活かすことができない。国内では、大企業であってもセキュリティに対するリソース不足が続いており、自社でEDRを運用することは非常に負荷の高い作業となる。このため、セキュリティサービスベンダーが提供するマネージドEDRサービスを利用して、EDRの運用負荷軽減とEDRの機能を最大限活用する企業が今後さらに増えていくだろう」とコメントしている。