次世代EV・自動運転車両に適したマイコン、ハイパーバイザも

世界中の自動車メーカーおよび関連企業がEV、ハイブリット型も含めた電気自動車の開発でしのぎを削っている。各社の視線の先にあるのは、衝突回避などのADAS(先進運転支援システム)をさらに進化させて常にネットにもつなげる次世代の形、そして自動運転車両だ。

クルマが完全自動運転できるようになっても求められる基本機能・性能は不変である。「走る」、「曲がる」、「停まる」の三要素を磨き続けなければ、新開発の高性能バッテリーを積んだ次世代EVだって、ただのコンセプトカーで終わってしまう。近未来のクルマは、より一層安全でなければならず、かつこれら三要素に電子制御/マイクロコンピュータがより密接に関わってくる。

車載半導体市場で'15年トップベンダーになった(Strategy Analytics英文記事)、NXPはきょう、次世代EV/自動運転車でビークル・ダイナミクスを制御する新しい高性能セーフ・マイクロプロセッサ・ファミリを発表した。同プロセッサは手動でも自動でもクルマの基本機能を安全に行えるよう車載システムを管理する。

新製品S32Sプロセッサは、最高レベルの安全機能を統合したArm Cortex-R52コアを多数使用――同コアは自動車の安全性統合レベル(ASIL)に不可欠で強力なコード分離保護を実現する――S32Sアーキテクチャは自動運転アプリケーションに重要な能力となる新しい「フェイル・オペレーション」機能に対応していて、故障の検出と隔離後のデバイスの継続動作を可能にするという。

NXPはオープンシナジー社とともに、最高水準の安全性(ISO26262 ASIL-D)が要求されるマイクロコントローラで複数のリアルタイムOS稼働を実現する「COQOS Micro SDK」を、S32S向けハイパーバイザとして開発。これらにより、新製品は包括的な安全ソリューションといった特長などを備えたとのことだ。