館内・構内LANにつなぐと、すべてが正確な時を刻む

むかし電話やテレビの時報を聞いて時計の針を合せていた人たちは、スマホなどの時計の正確さに首を傾げる。PCだって、「時刻を自動的に調整する」をオンにしていれば常にほぼ標準時を表示する。答えはNTP(ネットワーク・タイム・プロトコル)にある。

日本では、NICTが電波およびインターネット回線に載せて日本標準時を送ってくれている。「あなたのコンピュータの内蔵時計」との差がJSTサイトで確認できる。つまりNTPとは、さまざまなネットデバイスおよびシステムの時計を標準時刻サーバと同期させて、正確にするための通信プロトコルなのだ。

NTPサーバは、原子時計などによるものを頂点にして、通信会社らが提供するものが続き、数多の企業や学校、病院などのシステム内にあるものが正確な時を刻む。現場では、LAN上にさまざまなサブシステム等が接続されていて、それらもそれぞれ時計を内蔵している。そこできょう、セイコーソリューションズは、「NTPマスタークロックシステム」を9月から販売すると発表した。

1999年の販売開始以来、高い信頼性で1万台以上の導入実績があるNTPサーバ――金融・医療・情報通信をはじめとする幅広い業界のシステムに、GPSやテレホンJJY、FMなどの時刻ソースから取得したセキュアで正確な時刻を提供している、「Time Serverシリーズ」とNTPクロック、および新たに開発したNTPクロックを一元的に設定・管理するための「クロック・マネジメント・ソフトウェア」を組み合わせた。

館内時計の表示も正確にする。NTPクロックはPoE対応のため、LAN配線のみで時計設備の構築が可能。さらに上記ソフトウェアにより、システム内のNTPクロックの設定・動作をGUIで一元管理でき、システム運用のTCO削減を期待できるという。マスタークロックシステムは今週、「Interop Tokyo 25th」で披露される。