ドコモ、国総研、東大が国内最大規模の交通ビッグデータを開発

NTTドコモ(ドコモ)は、国土交通省 国土技術政策総合研究所(以下、国総研)、東京大学 空間情報科学研究センター(以下、東京大学)との共同研究により、人の流動を分析することのできる国内最大規模の交通ビッグデータ「人口流動統計」を開発した。

ドコモはこれまでに、ドコモの携帯電話ネットワークの運用データを基にした人口分布統計として「モバイル空間統計」を実用化し、防災分野や観光分野を中心に社会・産業の調査・分析の支援を進めてきた。

一方、交通分野では、人の流動・移動手段などの調査のために、国や自治体による都市交通調査(パーソントリップ調査)が現在行われている。この調査では、5年または10年に一回のアンケート調査が基本とされているため、信頼性が高い統計情報をより短い調査間隔、かつ広い調査エリアで取得できる手段が求められてきたという。

人口流動統計データは、このような背景を受け、ドコモの通信技術やビッグデータの統計処理技術を活用し、交通ビッグデータとして開発したもの。在圏する基地局を変更した携帯電話を統計処理することで、24時間365日、日本全域にわたり、どこからどこに何人移動したかを推計する。

国総研の都市交通分野の公的調査、計画立案に関する専門的知識、東京大学の都市交通分野のビッグデータ利活用に関する学術的知見、ドコモの通信技術と統計処理技術を活用し、三者の知見を合わせることで、統計的信頼性の高い都市交通分野の様々な用途に活用できる交通ビッグデータだと説明する。

また、調査対象となるエリアにおける人口流動や、広域エリアにおける移動経路、移動距離、移動速度が推計でき、それらに基づく移動手段を推定することが可能となる。さらに、これらの推計値を曜日、週、月、年ごとの変動のデータとして分析できるため、都市圏や地方自治体などにおける新しい都市交通計画への活用が期待されるという。