モバイル広告不正による損害額は49億ドル、広告予算の80%が失われている

adjust(以下、アジャスト)は、モバイル広告の不正に関する新しいデータ調査結果を公表するとともに、包括的な「モバイル広告の不正ガイド」を発表した。この調査によると、2017年と比較して詐欺率が倍増したという。

アジャストは、ユーザーの行動分析、広告の効果測定、アプリ不正インストールの防止を可能にする総合的なアプリ計測プラットフォーム「Adjust」を提供している。

Adjustでは、2018年1月から3月にかけて34億3,000万件のアプリのインストールと、3,500億件以上のイベントを測定し、1日当たり2万以上のアプリから125テラバイトにのぼる膨大なデータを処理・分析した。

その結果、モバイル広告の不正の発生率は2017年と比較するとほぼ倍増し、全有料インストール数の7.3%がAdjustの不正防止ツールによって拒否されていることが明らかになった。

2017年に最も打撃を受けたカテゴリは、35%の不正行為が見つかったゲーム部門。攻撃ターゲットになった第二位のカテゴリはEコマースで、その不正率は20%だった。2018年には劇的な変化が起き、Eコマースは現在、最も不正の影響を受けている分野となり、Adjustが拒否した総インストールの5分の2を占めているという。Eコマースに続き、影響を受けた上位のモバイルアプリカテゴリとしては、ゲーム(30%)、トラベルアプリ(10%)が続く。

また、不正として除外されたインストールは、「SDKスプーフィング」が37%、「クリックインジェクション」が27%、「フェイクインストール」が20%、「クリックスパム」が16%の割合となっている。

全ての不正行為の中で検出するのが最も難しいとされるSDKスプーフィングは、急激に勢いを増している。Adjustの初期調査によると、SDKスプーフィングは全ての市場においてグローバルに横行しているという。打撃を受けたカテゴリとしては、ゲームが29%、Eコマースが27%、フード&ドリンクが17%となっていた。

2018年第1四半期のモバイル不正に関する所見によると、Adjustの不正防止ツールはiOSと比較してAndroidにおいて約2倍のアプリインストールを拒否しているという。Android端末において不正が倍増していることが明らかになった。

アジャストでは、Apple端末比べてAndroidデバイスの販売量が膨大であることを理由に挙げている。また、不正が倍増したもう一つの理由として、第二の不正源であるクリックインジェクションを挙げている。この不正のタイプは、Android端末においてのみ発生し、拒否した全てのインストールの27%がこれに起因するものだった。

アジャストのCEO 兼 共同創設者であるクリスチャン・ヘンシェル氏は、「当社が業界全体のイニシアチブである不正防止連合(CAAF)を結成したことは、モバイルエコシステムの主要プレーヤーが一体となって不正に立ち向かう第一歩となった。しかし、モバイル広告での広範囲に及ぶ不正行為が一部で無視されている現状は、2018年の業界にとって最大の弱点であり、最大の課題でもある」と指摘した。

そのうえで「当社の次のステップは、使用されている様々な不正行為のタイプについて市場の教育を行うこと。全てのプレーヤーは防衛を強化し、不正と戦うための効果的な対策を講じることが必要だ」とコメントしている。

調査会社であるeMarketerによると、米国における2018年のモバイル広告費は、20%増大して750億ドルを超えるとのこと。また、同社はモバイル広告が2018年には前年比で23.5%増加すると予測する。2018年のモバイル広告の不正による被害は数十億ドルにのぼる可能性があり、有料インストールにおける拒否率は7.0%増大し、結果として損害は約49億ドルにのぼる可能性があると指摘する。

アジャストの不正防止スペシャリストであるアンドレアス・ナウマン氏は「有効な拒否数は、Adjustの不正防止ツールを使用している広告主のために阻止した不正行為のレベルを示しているに過ぎない。予防できる不正の総数はそれよりもかなり多い。モバイル広告の不正の犠牲者であっても報告されていない広告主の数は間違いなくかなり多い」と指摘する。

クリックスパムは、ユーザーが実際には実行していないクリックを不正行為者がユーザーに代わって実行されることで発生する。不正行為者は不正として検出されることなくオーガニックのトラフィックを捉え、記録し、ユーザーのアトリビューションを盗むことが可能。トップカテゴリーの被害数は、Eコマースが38%、ゲームが29%、フード&ドリンクが7%となっている。

また、フェイクインストールは、不正な広告に基づいてインストールをトリガーする目的でのみ存在する偽造ユーザーです。通常、クリック後に発生する、即時ドロップオフを伴う高レベルのインストールにより検出できます。トップカテゴリーの被害数は、ゲームが4%、Eコマースが14%、エンターテインメントが14%となっている。

モバイル広告不正の完全ガイド

  • • SDKスプーフィング
  • • クリックインジェクション
  • • クリックスパム
  • • フェイクインストール
  • • 不正なアプリ内購入
  • • Call to Arms(軍隊への招集)

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Adjust、最新のモバイル広告の不正についての調査結果を公表 ― 2017年と比較して詐欺率が倍増

カテゴリー: 情報通信 , セキュリティ   

大島 純一郎

大島 純一郎Author

証券系システムエンジニアやIT系資格対策問題集の編集、IT系Webメディアの編集記者などの経歴を生かして、企業向けIT関連の記事制作に携わる。専門は、IT、金融、医療分野。医療情報システムの企画/構築、運用に関する知識を有する専門者としての資格、医療情報技師、情報セキュリティアドミニストレータの保有者。

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