さまざまな分野で生産性の低さを指摘される。一方で過労死が世界の人々を驚愕させる。日本ではいま、厚生労働省を核に長時間労働削減に向けた取り組みが進められていて、多くの企業は自ら「働き方改革」を推進かつ実践している。
働き方改革の軸はIT(情報技術)が担っていて、人工知能(AI)やソフトウェアロボットといった先進技術を活用して、業務の効率化や生産性の向上を実現する。取り組みを進めるうえで、企業によってはAI導入時に必要な業務ナレッジを整備することの困難や、AIを効果的に活用するための継続的な学習データの作成、メンテナンス作業の煩雑さなどから、その採用を見送る現状もある。
たとえば現在多くの企業がメール応対業務でのAI活用を検討しているが、そのほとんどで、活用に必要な業務ナレッジ(Q&A)が存在しないとか、あっても各個人のアーカイブやメモ帳などローカル環境に秩序なく保持されているといった状況にあり、これらがAI活用を進めるうえでの課題になっているという。
NTTデータ先端技術はきょう、問い合わせ対応業務へのAI導入においてナレッジの蓄積・活用を支援するサービス「Quick Reply」を提供開始する。これは、AI基盤のあるべき姿を考える同社が企業のAI活用を促進するために提供するサービスの一環で、普段利用しているメーラー環境にアドインすることで利用可能になるという。
Quick Replyには「FAQ登録」「FAQ検索」「学習データ登録」「FAQ・学習データ管理」機能が備わっていて、ユーザーは業務ナレッジのFAQ化や、AIの回答精度を向上させるための学習データの収集・登録と、業務ナレッジの蓄積・活用を効率的に行うことができる。
これにより、メールでの問い合わせ業務を効率化――。と同時に、個人にナレッジが集中してしまう業務の属人化を解消し、企業の「働き方改革」の推進に大きく貢献するという。