読みが困難な子ども向け電子教科書再生ソフトのWindows版
DAISYとは、「Digital Accessible Information SYstem」の略で、アクセシブルな情報システムと訳されている、電子書籍の国際標準。マルチメディアDAISYとは、テキストや音声とを同期させて読むことのできるDAISY。ハイライト表示や音声でどこを読んでいるかを把握したり、音声の速度が変えられて自分のペースで読める点などが特徴。
小・中学校の主要な検定教科書は、マルチメディアDAISYに対応した音声教材として、日本障害者リハビリテーション協会がボランティア団体等と協力して製作し、提供されている。2017年度は全国で8,093人の子ども達が、紙の教科書に対する合理的配慮としてマルチメディアDAISY教科書を利用して学習しているという。
シナノケンシでは学校・教育現場に向けiPad用の再生アプリ「いーリーダー」を2016年1月に発売。一方でWindows環境ではマウスカーソル操作のPCを想定した再生環境はあるものの、タッチ操作を前提とするタブレット向けとして開発された再生アプリはなく、操作性において課題があった。今回、同社はiPad用の機能に加えて、タッチ操作しやすいインターフェースをWindows環境で実現した、いーリーダーWindows用を開発した。
いーリーダーWindows用では、ハイライト毎に停止する「ステップ再生」機能や画面表示と再生速度を好みに合わせる「簡単設定アシスタント」機能などを備える。ステップ再生機能では自主学習や音読学習の際に自分のペースで読めることができ、簡単設定アシスタントでは表示する画面の色や音声のスピードを、図書を読む子ども自身が対話形式で設定できる。
いーリーダーWindows用は、学校ライセンス版が1万9,400円、ダウンロード版が3,000円(いずれも税込)となっている。