昨今、業務の効率化や競争力強化に向け、AI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)など新技術の活用への期待が高まっている。オフィス内ではしかし、コンピュータが処理しにくい情報が多く残っていて、それらの情報活用は十分に進んでいない。
特に手書き帳票や図面情報の内容調査・確認・判断には、多くの人手をかけた繰り返し業務が発生している。他方、専門性を要する業務は一部の人たちが担っていて、幅広い人材の活用が困難になっているという。
富士ゼロックスは、「Smart Work Innovation」を具現化するサービスとして、独自のDocument AI(人工知能)技術を活用した3サービスの提供開始を発表。文書の利活用の促進と専門知識の必要な判断を支援し、生産性の向上と競争力の強化を実現する。
「高精度データエントリーサービス」は、人の視覚情報処理の仕組みを利用したAI技術によって文字情報を読み取り、その結果に対する確信度に応じて目視確認の必要性を振り分ける業務プロセスを確立。人とAIの協業によるプロセス改善を促進する。金融機関での口座開設や請求依頼、サービス業での申込書や住所変更届けなど、入力ミスや抜け漏れ防止に係る作業を省力化する。
「図面情報抽出サービス」では、図面上の文字を特定する独自のレイアウト解析と文字認識技術により、前処理なしで、候補指定した文字列を効率的に抽出。図面にある部品番号や技術標準番号と他の技術文書の照合を行う検図業務などのプロセスを改善し、設計者の作業を大幅に軽減、品質の高い業務遂行を支援する。
「専門知識体系化サービス」は、文書上の語句を独自の自然言語処理技術を活用して解析し、複数の文書間の語句と語句とを紐付けて知識を体系化――。製造業で設計変更が行われた際、輸出先国の法規制への影響を確認する業務や、プラント保全業務での技術問合せ対応などに適用できるという。