国内ネットワーク仮想化市場、今後さらに拡大し成長

近年、ネットワークの仮想化が進んでいる。情報の伝達路であり、さまざまなシステム同士をつなぐ経路をより柔軟で弾力に富むものにする、それは適用分野や形態によって、SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)と、NFV(ネットワーク機能仮想化)に大別される。

国内のSDNおよびNFV市場について、IT専門調査会社のIDC Japanはきょう、'18年~'22年の予測を発表した。SDNにおいては、成長が軌道に乗り始め市場形成が進み、昨年には521億円にまで市場規模が拡大したことが明らかになったという。

適用領域別にみると、SDN市場を常にリードしてきたデータセンターSDN市場は、立ち上がりから5年以上が経過しているものの、成長に衰えは見られない。'17年も40%以上の前年比成長率で、市場規模は308億円に達した。「データセンターネットワークの自動化」と「マイクロセグメンテーションの適用」という2つのベストプラクティスを成長の両輪として今後も成長、'22年までの年間平均成長率(CAGR)を24.0%と予測している。

一方、通信事業者が導入するキャリアSDN市場およびキャリアNFV市場は、これから本格的な成長が期待される。キャリアSDNの本命は、「NFV環境の基盤としての導入」「5Gネットワークにおけるネットワークスライシング」「通信事業者のオペレーションの自動化」のため、同市場は今後本格的に立ち上がり、'22年までのCAGRは32.7%と見込む。

キャリアNFV市場は、昨年低調だったが、今後の成長については楽観視。5Gサービスに向けた移動体通信事業者の設備投資の再活性化に加えて、新たなMNOの誕生も好材料の一つになる。新規参入するMNOのサービス基盤整備が、キャリアNFVおよびSDNのショーケースになると期待されているという。

国内市場予測と今後の展望は、その詳細を同社のレポートで確認できる。