近赤外線で穿刺に適した血管を素早く確認、テルモが販売

テルモは、静脈可視装置「ベインビュア」を全国の医療機関に向けて販売開始した。「見やすさ」と「使いやすさ」を両立させ、近赤外線で穿刺に適した血管を素早く確認できる。2018年度に約50台の販売を目指す。

静脈可視装置は、近赤外線を用いて静脈の太さや血管走行を可視化する装置。近赤外線には血液に吸収される性質があるため、皮膚の表面に照射すると、血液に吸収されなかった近赤外線が装置に向けて反射される。静脈可視装置はこの反射されたデータを解析し、皮膚に画像として投影する。

注射や採血で静脈に穿刺する(針を刺す)際に用いられ、血管が細い人や小児の穿刺前の血管確認や、穿刺後に薬剤が血管に流れている様子の目視にも使用できる。

ベインビュアは、深さ10ミリメートルまでの静脈を皮膚に投影。臨床現場での使いやすさにも配慮し、充電式バッテリーを採用する。持ち運びやすいハンディタイプの「ベインビュア フレックス」と、スタンドタイプの「ベインビュア ビジョン2」を提供する。

標準モードに加えて高精度モード、反転モードなど5種類の投影モードを標準搭載し、状況に応じた見やすさを目指している。ユニバーサルモード(標準モード)、ファインディティールモード(高精度モード)、インバースモード(反転モード)、リサイズモード(対象に応じた3段階の投影サイズ選択が可能)、マックスブライトモード(標準より40%明度をアップ)、カラーモード(背景色を黄色または白から選択可能。ベインビュア ビジョン2のみ搭載)を搭載している。

テルモは輸液セット、輸液ポンプ、注射器、留置針、輸液剤など、薬剤投与に関する製品を幅広く展開しており、今回販売開始した製品の導入で医療現場の安全性と効率性へのさらなる貢献を目指すという。

希望小売価格は、ベインビュア フレックスが160万円、ベインビュア ビジョン2が260万円(いずれも希望小売価格)。