本邦初! 水中でも陸上でもドローンにてレーザー測量

海に囲まれ山多く、細長いこの国には法律に基づく川の流れが63,636。突然の豪雨に見舞われることが増え、各所で人手不足が叫ばれる昨今、6万3千超の河川を万全に管理することは至難の業である。

そのため国土交通省が「革新的河川管理プロジェクト(第1弾)」を立ち上げ、このプロジェクトに参加している朝⽇航洋は、河川情報センターアジア航測ルーチェサーチとチームFALCONを結成して、「陸上・⽔中レーザードローン」の共同開発を進めている。チーム名は4社の頭文字(F・A・A・L)をとり、各社の緊密な連携(CONnection)と、俊敏な動きで空を⾶ぶ隼にドローンのイメージを重ねたものだという。

チームは、グリーンレーザー測量機器をドローンに搭載した本邦初の⽔中レーザー測量システム、および低価格の陸上レーザー測量システムを開発し、実証試験に成功した。水中ドローンでは、飛行高度などの条件を変えて河川を横断方向に複数回飛行し、水底および陸上部を連続して測量した結果、ほぼ同時期に実施した有人機ALBの測量成果と概ね合致していて、川の最深部まで測量されていることが確認できた。測量の密度は、横断形状の把握に十分なものであった。

陸上ドローンでは、堤防や高水敷の面的な測量――範囲中に設定した検証点における測量値を、同じ日にトータルステーションで測量した値と比較――較差の平均値は、高さ方向で0.4mm、水平方向で31.6mm であり、既存基準に照らしてその測量成果が十分な精度を有していることが示された。測量密度は平均108 点/m2で、詳細な地形形状を捉えられるという。

チームFALCONは今後、他の測量手法との比較分析などを通じて、ドローンによるレーザー測量の長所や限界を整理し、最も効果を発揮する場面および効果を発揮させるための運用手法等に関する検討を進めていく構えだ。