材料開発を支援するクラウド型ナノ解析サービス

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、米Exabyteの材料開発を支援するWeb利用型ナノ解析クラウドサービス「Exabyte.io」の取り扱いを開始した。

Exabyte.ioは、固体の物性に関する解析やモデリングで材料の設計や開発を、原子や分子レベルの大きさであるナノスケールで支援するクラウドサービス。これまでナノ解析の分野で使用される第一原理計算や分子動力学計算などには、多くの時間やコンピュータリソースが必要だった。Exabyte.ioはWebブラウザ上で操作でき、使用に応じた課金のため解析にかかるシステムやソフトウェアなどの投資を抑えられる。

また、計算の負荷に合わせてコンピュータリソースを柔軟に増減でき、システム負荷の高い計算にも対応可能。米国の大規模結晶データベース「Materials Project」とも連携しているため、元素入力だけで関連する結晶データの全てを取得でき、解析時間の大幅な短縮が期待できる。

CTCは、合金設計や材料プロセス設計、材料評価などの材料関連の各種ソフトウェア、関連データベースの販売やサポート、コンサルティングサービスを30年以上前から提供。材料を構成するミクロ組織の予測や、熱力学データベースの作成など材料設計に関する多くの実績がある。

近年ではナノスケールで解析を行う独自ソフトウェアも開発しており、蓄積したノウハウをベースにExabyte.ioの導入や活用について材料解析のコンサルティングから技術サポートまでトータルなサービスを提供する。

今回、Exabyte.ioの取り扱いにより、従来から提供する材料解析ソリューションと合わせて、ナノからマクロまでマルチスケールの解析技術で材料解析のシステム構築、解析の支援、保守サポートまでを支援する。

CTCは今後、Exabyte.ioの新機能の開発にも参画し、モデリングや予測の機能についてサービス拡充を図るとともに、マルチスケールの解析で素材・材料分野での科学技術の進展や社会課題の解決に貢献していく考え。