富士通は、青山商事と「洋服の青山 福山本店」「洋服の青山 池袋東口総本店」にて、来店客の視線からAI(人工知能)で心理を推定し、接客業務を支援する実証実験を2018年4月6日から4月27日の期間で実施する。
青山商事は、実店舗とECサイトを融合した新たなコンセプト店として、2016年10月に「洋服の青山 秋葉原電気街口店」をオープンするなど、IT活用による新しいショッピングの形を提案している。
富士通は「人と共存し、人に寄り添う人工知能」を目指し、AIに関する知見や技術を「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」(以下、Zinrai)として体系化し、提供している。また、富士通研究所はZinraiを支える4つの技術領域の一つである「感性メディア処理技術」において、音声や視線などのセンシングデータから人の心理を分析する技術の開発を進め、マーケティング分野への応用に取り組んできた。
今回、青山商事と富士通の実証実験を通じて、この技術の店舗業務での有効性を検証し、接客業務を高度化するサービス創出を目指す。
実証実験では、店舗のマネキンコーナーに視線センサーを設置し、来店客の視線を検知する。富士通研究所独自の心理分析AI技術により、位置、特定領域にとどまった時間、順番など視線の動きからマネキンが着用する商品への来店客の関心や迷いを推定し、来店客の関心に応じて商品の付加情報をスクリーンへ表示するなど、新たな顧客体験を提供するという。
また、AIが推定した来店客の関心や迷いに基づく関連商品を店員のモバイル端末へリアルタイムに通知することで、店員の接客業務を支援し、売上向上への効果を検証する。
実証実験を通じて、富士通は、より来店客のニーズにあった接客業務を支援する。将来的には、来店客の心理分析結果と店員による接客履歴を蓄積することで、商品の展示効果の定量的な検証や来店客の潜在ニーズの可視化、接客ノウハウの共有などへの展開も見込んでいる。