社会インフラの制御システムにてライフサイクルプランを実現

さまざまなモノの機械化や自動化が進んだ今日、大規模な産業機器、鉄道、発電プラントなどは制御システムに支えられて稼働している。と同時に、制御システムは部品交換などをしてそれを運用・保守する体制と、人によって支えられている。

近年、多くの制御システムの稼働現場では、保守員の高齢化により運用・保守に関するノウハウの伝承が急務となっているほか、システム長期稼働に伴う構成部品の経年劣化などにより障害リスクが高まり、ダウンタイムの発生や維持コストの増加が大きな課題となっている。加えて今後、この分野におけるIT(情報技術)の発展によりシステムが高度化・複雑化し、障害対応に従来以上の専門的な技術と知見が必要になってくるだろうという。

日立製作所は、社会インフラを支える制御システムの最適な生涯保全計画(ライフサイクルプラン)を実現する「制御システム安定稼働サービス」を、4月2日より販売開始すると発表した。日立パワーソリューションズおよび日立システムズとともに、顧客に納入した制御システムの運用・保守を24時間365日サポートする体制を新たに構築し、グループがもつOT(運用技術)と ITに関する技術・ナレッジを結集した独自のサポートプラットフォームを活用しつつ、専門技術者が顧客システムの問題解決にあたる。

今回のサービスでは、日立がハードウェア/ソフトウェア/アプリケーションの問題に素早く対応するだけでなく、顧客においても、運用・保守に関するナレッジの蓄積・共有や適切な部品在庫管理が可能になる。これにより、障害時の復旧が迅速化するとともに、従来顧客が行っていた運用・保守業務が効率化し、設備稼働率と業務効率向上が実現されるという。

3社は今後、AI(人工知能)技術の活用など制御システムにおける運用・保守の高度化を視野に入れ、サービスメニューの拡充やサービス品質の向上を図っていく構えだ。