コネクテッドカー時代に求められる低遅延で高音質な音声処理を実現

日本電信電話(NTT)は、自動車内の音声操作やコミュニケーションを快適にするマイク技術「インテリジェントマイク for car」を開発した。

NTTは、雑音の多い環境でも所望の音声だけをクリアに集音できる「インテリジェントマイク」を、車載向けに「インテリジェントマイク for car」として改良した。

この技術は、自動車内における背景音を抑えながら、集音したい座席の所望の音声だけを抜き出すもので、エコーキャンセラ技術や適応ビームフォーミング、ハウリング抑圧技術など、NTTが長年培ってきた技術を結集させ、走行音やカーオーディオの音にも影響されない低遅延・高品質な集音を実現している。

自動車内でマイクで拾った音をスピーカから再生し、離れた座席に座る同乗者同士の会話を助ける「インカーコミュニケーション」や、拡声通話や音声による機器操作を行う際、従来の技術では、「ハウリングが発生する」「遅延により音声が不自然になる」「車の走行音やカーオーディオの音などの背景音により音声品質が劣化してしまう」という問題が発生していた。

これに対して今回開発した技術では、電話会議装置で培った音声処理技術を応用し、10ミリ秒未満の低遅延な音声処理や双方向通話を可能とする高性能ハウリング抑圧によって、違和感のない自然な会話を可能にする。

また、適応ビームフォーミング技術により、走行音やカーオーディオなどの背景音に影響されず所望の音声だけを集音し、通話や音声操作に用いることも可能。さらに、近年自動車への搭載が進んでいる「緊急通報システム」への対応として、「ハンズフリー通話」機能も強化した。