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2016年度の国内データ分析/レポーティング市場は前年度比19.4%増、ITR調査
ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アール(ITR)は、国内のデータ分析/レポーティング市場規模推移および予測を発表した。
ITRの調査によると、国内データ分析/レポーティング市場の2016年度の売上金額は144億5,000万円、前年度比19.4%増と大幅な伸びとなった。ユーザー自らがデータ分析やレポート作成を実行できるセルフサービス型の製品の普及により、部門単位での導入が進んだことが高成長の要因となっている。
また、IoT(モノのインターネット)に取り組む企業の拡大に伴い、得られたデータから新たな価値を創出するためにデータ分析/レポーティング製品・サービスを導入する企業が増加していることも市場拡大の要因となり、2017年度も同16.3%増と引き続き大きな伸びを予想している。
この市場を、パッケージとSaaSの提供形態別に分類して見ると、これまではパッケージでの導入が主体だったが、近年SaaSでの導入が急速に拡大している。SaaS市場の2016年度の売上金額は10億5,000万円と、前年度から約倍増となっている。データをクラウドで管理する傾向が高まっていることで、親和性の高いSaaSを選択する企業が増加していることから、2017年度もSaaS市場は引き続き倍増の伸びを予想している。
ITRのアソシエート・リサーチ・フェローである平井 明夫氏は「従来、定型レポート機能を提供するパッケージ製品がマーケットシェアの大部分を占めていたが、これらがレガシー化し切り替えの時期に差し掛かっており、その際、SaaSを選択する顧客が一定数存在するため、徐々にSaaSの割合が増加している。また、新規導入においては、非定型分析機能を提供するセルフサービス型のデータ分析/レポーティング製品・サービスが中心となっており、これがパッケージ製品、SaaSを問わず、市場全体の伸びをけん引している」とコメントしている。