光学機器・光学デバイス関連の世界市場を調査

富士キメラ総研は、モバイル向けや車載向けで普及が急速に進んでいる光学機器・光学デバイス関連の世界市場を調査。その結果を「2018 イメージング&センシング関連市場総調査」にまとめて公表した。

この調査では光学機器のうち、民生機器3品目、社会インフラ系カメラ9品目、医療・理化学機器4品目、情報入出力機器3品目と、光学デバイスのうち光学ユニット12品目、半導体デバイス7品目、光学部品5品目、光学関連材料・装置5品目の市場を分析し、世界市場の動向と将来を予測した。市場はメーカー出荷ベースを基本とするが、光学機器は生産ベースで算出した。

光学機器市場は2017年、8兆4,296億円(2016年比106.8%)が見込まれる。主力分野は、社会インフラ系カメラ、情報出入力機器である。今後は、社会インフラ系カメラ分野の高成長が期待され、2022年には、11兆1,185億円(同140.9%)になると予測される。

民生機器分野では、スマートフォンとの競合でデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどが落ち込むことで市場が縮小するとみられる。社会インフラ系カメラ分野では、監視カメラが拡大をけん引し、2016年から2022年にかけて年平均成長率13.2%の高成長が予測される。監視カメラのIP化、テロ対策、中国の新規物件、大型イベントでの需要増加などが拡大に繋がっていくとみられる。

医療・理化学機器分野では、内視鏡(軟性鏡)が拡大をけん引しており、新興国での新規需要の獲得が期待される。情報入出力機器では、プリンターやプロジェクターは微減となっているが、ヘッドマウントディスプレイ・スマートグラスがゲーム機向けを中心に急拡大しているという。

光学デバイス市場は2017年、6兆4,130億円(2016年比109.4%)が見込まれる。主力分野は、光学ユニットである。今後は、半導体デバイスの高成長が期待され、2022年には9兆7,575億円(同166.5%)になると予測される。

光学ユニット分野では、車載カメラモジュールやレーザースキャナー、ヘッドアップディスプレイ、ヘッドライトシステムなど車載デバイスでの需要増加によって、拡大するとみられる。また、モバイル機器向け小型カメラモジュールもデュアルカメラ対応などで需要増加が予想される。

半導体デバイス分野では、エリアイメージセンサーやTOFセンサー、赤外光半導体レーザー、マイクロボロメーターが伸びており、センシング用途での需要増加に伴い拡大が期待される。

光学部品では、光学レンズが監視カメラ向けのガラス球面レンズで需要を獲得しており伸びるとみられる。その他では、光学フィルター、ウェハレベルレンズ、HUD用光学部品が拡大をけん引していくとみられる。光学関連材料・装置では、モバイルカメラを中心に採用されているレンズ用樹脂材料が好調である。今後は、VRや車載カメラ向けでの採用が期待される。