人々の流れや時間、地図やグラフに見える化

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代に突入した今、それらが生み出す膨大なデータは宝の山となる。いわゆるビッグデータの中から、新たなビジネスのアイデアやヒント、あるいはサービスや商品を改善する種を発掘する。人間だって、モノの例外ではない。

人の流れには理由があるし、人が集まるところには興味の泉が湧いている。急ぎ足、緩やかな歩み、長く滞在するにも訳があり、それぞれを分析すれば見えてくるものがある。店を出したり道を作ったり、イベントを計画などする前に、アルバイトを雇って、街の片隅や道端のパイプ椅子に座らせ5、6個の計数機のボタンを叩き続けさせる調査手法は、もはやローカルかつ古典となった。今、人々のポケットやカバンの中にはGPS機能付きスマートフォンがある。それは常時ネットにつながっていて、リアルタイムに情報を受発信する。舞台は地球であり、スマホユーザーは世界中で活動している。

ソフトバンクグループで位置情報を用いたビッグデータ事業を行う(株)アグープは、最短10分前の人の流れを地図やグラフなどを用いてわかりやすく可視化するサービス「Kompreno」を開発し、きょうから国内外で提供開始する。同サービスは、スマホアプリから取得した位置情報データを独自の技術で解析して人の流れを見える化した「流動人口データ」を、地図やグラフなどを用いて表示する「ダッシュボード」の形で可視化したものだという。

世界200以上の国と地域における、10分前から2週間前までの「流動人口データ」を、ウェブブラウザでいつでも簡単に確認・分析することが可能になる。「Kompreno」において、同社はまず、人の流れや密集度、滞在時間、移動速度などの情報を可視化して提供する。観光地の分析や都市計画、出店計画などに利用できるようにして、以後は細かな分析機能などを順次追加していく予定とのことだ。