中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド活用状況

ノークリサーチは、中堅・中小企業における10分野に渡る業務アプリケーションのクラウド活用状況に関する調査/分析の結果を発表した。同社は、業務アプリケーションの開発/拡販では「クラウド活用状況を踏まえた施策」が不可欠であると分析する。

今回の調査では、年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、10分野に渡る導入済みの業務アプリケーション(ERP/生産管理/会計管理/販売・仕入・在庫管理/給与・人事・勤怠・就業管理/ワークフロー/グループウェア/CRM/BI・帳票/文書管理・オンライ
ンストレージサービス)のクラウド活用状況を尋ねている。その結果、基幹系アプリケーションは現在もクライアント/サーバやスタンドアロンの導入形態が多く、Webアプリケーションが主体の情報系や顧客管理系と比べてクラウドの割合が低くなっていた。

また、クラウド全体では「情報/顧客管理系の方が基幹系よりもクラウドの割合が高い」という傾向が見られるが、その差の要因は「ASP/SaaS利用」であった。一方で、「パッケージ(IaaS/ホスティング利用)」や「独自開発システム(IaaS/ホスティング利用)」では6つの業務アプリケーション分野の間で大きな差異は見られなかった。ノークリサーチでは、「どのクラウド形態に着目するか?」によって業務アプリケーション分野におけるクラウド活用の傾向が大きく変わる点に注意しておく必要があると説明する。

同調査では、10分野の業務アプリケーションのうち、会計管理における「パッケージ(IaaS/ホスティング利用)」と「ASP/SaaS利用」の回答割合を年商別およびビジネス拠点の状況別に集計している。それによると、ITソリューションの多くは年商規模の大きな企業から小さな企業へと普及していくが、会計管理のASP/SaaS利用については年商5億円未満の小規模企業における導入も目立つという。さらにビジネス拠点の状況を見ると、拠点が2カ所以上かつITインフラを統一管理している企業ではIaaS/ホスティング利用の割合が相対的に高くなっていた。