有人ヘリとドローン、ともに安全に飛ぶ大空に向けて

ドローンをはじめとした無人航空機の活用が盛んになっている。産業だけでなく、医療や災害現場での支援活動にも無人機が使われようとしている。国内では今、ドクターヘリ等の低高度での有人機飛行も増加傾向にあり、両者の「ニアミス」事案が報告されている。

国土交通省航空局の資料にも複数のニアミス事案が示されていて、有人航空機と無人航空機の衝突回避の性能評価基準は喫緊の課題だという。NEDOは「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」において、ドローンなど無人機の目視外飛行および第三者上空飛行を見据えた衝突回避に関する安全性能の評価基準の開発に取り組んでいる。

そして同機構はきょう、SUBARU、エンルート、プロドローンの3社とともに、上記プロジェクトの協定を結んだ福島県と南相馬市の協力のもと、日本初となる同一空域における有人ヘリコプターと無人航空機の安全性能試験を実施したことを発表した。試験は今月11日から順次実施しているもので、南相馬市の復興工業団地内福島ロボットテストフィールド整備予定地にて、有人ヘリと無人機の相互視認性を確認した。今回、衝突回避に関する安全性能評価基準策定に必要となる各種データを取得できたという。

無人航空機向け総合気象情報提供機能として、日本気象協会が有人・無人両航空機の離発着場でのドップラーライダー(風向風速のリモートセンシング装置)による上空の風観測を行い、そのデータと試験エリア付近の気象予測を無人機の運航者へ提供。そして、ヘリコプター操縦士から見た無人機と、無人機のカメラ等を通じて見た有人機について、次のような確認を行ったとのことだ。

・ さまざまな市販無人機と、有人ヘリとの間で距離に応じた相互視認性
・ 灯火、塗色により視認性を向上させた無人機の視認性
・ 有人ヘリ、無人機を相互飛行させ、背景を空・地面とした場合の視認性