新興市場向けの電気自動車などの開発に向けて提携

インド政府は2030年までに、同国で販売される全自動車をEV(電気自動車)のみに制限する政策を発表しており、今後インドのEVとしては膨大な市場機会が広がっている。

インドの電気自動車(EV)開発のパイオニアであるMahindra & Mahindra(以下、マヒンドラ)とルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、ルネサスをマヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームのオフィシャル・テクノロジー・パートナーとして戦略的提携関係を構築したことを発表した。

また、EV開発においてフォーミュラEを技術開発のプラットフォームとして活用する、マヒンドラの「Race to Road方針」(レースで使用した技術を量産車に適用する方針)に基づき、マヒンドラとルネサスの両社は、レーシングカーおよび量産車のPoC(proof-of-concept:プロトタイプ実装に際しての機能検証工程)の開発を含め、幅広い項目で提携していく。

マヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームは、世界初のEVレースであるFIAフォーミュラE選手権において同選手権スタート時の10チームの1つで、唯一のインド系のチーム。2017年7月に終了したシーズン3で走行したレーシングカー「M3Electro」は、チーム初の優勝をはじめとして表彰台に上がること10回、ポールポジション獲得を3回、最速ラップ賞獲得を2回もたらすなど高い競争力を示している。

この戦略的提携を通じて、両社はそれぞれの強みを持ち寄ることでインドなど新興市場向けのEVやパワートレイン、ADAS(先進運転システム)などの開発・製造に向けて提携関係を拡大していくという。