専門家に頼らず、自動でIoTデータ分析を

近ごろIoT(モノのインターネット)が盛んだ。製造現場ではその活用による装置の異常検知や故障予測などへの関心が高まっている。そこで装置状態の判別プログラムをつくろうとすれば、装置の振動や音、センサ等からの時系列データを解析して判別モデルを作成する必要がある。

しかし現状その作業は、データサイエンティストなど専門知識を持った限られた人材が行っていて、技術やコストの面で課題があるという。東京エレクトロン デバイスは IoT向けに時系列データから装置の異常判別プログラムを自動生成する専用マシン「CX-M」を開発。同マシンを本日より販売開始すると発表した。

CX-Mは、時系列データを入力すると「データクレンジング」、「特徴の抽出」、「機械学習による判別モデル作成」、「判別精度検証」を独自ソフトウェアで行い、異常判別プログラムを自動生成する。そのためユーザーは、データ解析技術の知識がなくても、正常時と異常時の時系列データを用意するだけで自社基準の異常判別プログラムがつくれる――。生成したプログラムは出力して、クラウド上や自社のシステムに組み込むなど、任意の環境での利用が可能だという。

プログラム生成マシン内部でのデータ分析内容を確認し、入力データ量やデータクレンジングに依存する判別精度を数値化できる。ユーザーは判別精度から予防保全効果が予測可能となり、ROIを考慮したIoT導入検討が行える。現場で動作させるアプリケーションを生成する「ノンプログラミング開発クラウドConnexon」を併用すれば、機械学習により異常判別プログラムの判別精度が向上した時にも簡単にアプリケーション化することができ、システム開発時間/コストの削減が実現できるという。

CX-Mは12月1日に虎ノ門で開催される同社のセミナー「TED REAL IoT」にて紹介される。