あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が進展している。産業界では、新たなビジネスやしくみを創出したり、生産性が滞りがちな現状を打破したりするとして、それに寄せる期待は大きい。
石油・石油化学・化学・LNGなどのプロセスプラントでも、IoTの活用による新たな価値の創造が期待されているという。横河電機とNTT西日本グループはきょう、産業用小型無線センサ「Sushi Sensor®」を、プラント設備に設置し、低消費電力で広範囲をカバーできるLoRaWAN™ネットワークに接続する実証試験を共同で行うことを発表した。
横河電機は、産業用IoTの実現に向けて、コンプレッサー、ポンプ、モーターといったプラントにある設備の状態を、オンラインで遠隔監視するために必要なセンサと、収集したデータの分析や機械学習処理などを行うクラウドサービスの開発に取り組んでいる。一方、NTT西日本グループは、昨年6月より「IoT向けLPWAネットワークのフィールドトライアル」を開始していて、様々な分野のパートナーとLPWA(省電力広域)ネットワークの活用シーン創出に取り組んでいる。
そして両社は今回、それぞれのノウハウや技術、しくみを提供して、「プラント環境内での無線センサの設置およびLoRaWANネットワーク基地局の設置に関する方法」、「プラント設備状態(回転機等の振動・温度データ)の収集手法」、「設備状態の監視システムに求められる機能・サービス及び運用方法」を共同検証する。
従来のベテラン運転員による数時間に一度の巡回点検、数カ月に一度の定期点検に代わるオンライン監視――。Sushi SensorにてLoRaWAN経由で収集する、設備の状態を把握するために有効な振動や温度のデータを、オンラインで常時監視することにより、設備異常の早期発見や故障予知などのプラント保全に活かせるようにする計画だ。