クラウド間連携サービスでPoC環境構築が容易に

SCSKは、パブリッククラウド環境と自社クラウドサービス「USiZEシェアードモデル」間を迅速・安価につなぐ従量ネットワークサービス「マルチクラウドゲートウェイ」を発表。その第一弾として「USiZEパブリッククラウドモデル」との接続サービスを提供開始した。

USiZEパブリッククラウドモデル(AWS)は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のリソース提供から構築、運用までを一括提供するSCSKのワンストップサービスだ。

企業のIT投資の目的が、業務効率化から新サービスによる売上拡大に広がる中、新たなビジネスへの投資リスクを排除するためには「PoC(Proof of Concept:概念実証)」によって意図した効果が得られるのかという事前検証が必須だ。

その際、検証環境を物理的に保有することやデバイスの用意に時間がかかることを理由に、PoC実施においてスモールスタートが可能なクラウド環境を選択する企業が増えている。一方で、新しいビジネスの創出を支えるAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、データ解析といった先進技術はパブリッククラウドとしての提供が数多く、これらの環境を活用することがPoCの近道となっている。

今回、SCSKは自社のUSiZEシェアードモデルとパブリッククラウドを迅速かつ安価につなぐ従量ネットワークサービスとして、マルチクラウドゲートウェイを提供。その第一弾として、USiZEパブリッククラウドモデル(AWS)との接続サービスを開始した。

SCSKによると、クラウド間の連携によってパブリッククラウドを活用したPoCの実施や、システム要件によってクラウドを使い分けるマルチクラウド環境を効率的に構築できるようになるという。

マルチクラウドゲートウェイは、申し込み後開通までに最短3日、月額基本料10,000円のコストで、SCSKのUSiZEシェアードモデルとAWS間の回線を利用できる。クラウドサービスと同様、利用した分のみ課金される従量課金制で、個別にネットワーク機器や回線といった資産を保有する必要がない。また、IoTやAIの取り組みを進める際の「環境構築のノウハウがない」「人材や体制が不足している」といった課題には、別途有償サービスのPoC環境整備サービスを利用できる。

SCSKでは代表的な利用ケースとして以下のような活用事例を挙げている。
・各店舗で収集したデータから、AIで販売傾向を分析し、リアルタイムに自動追加発注する
・機器から発信されるセンサーデータから、稼働状況を分析し、故障やトラブルを未然に防止する
・コールセンターの音声データから、よくある質問を解析し、FAQ化や問い合わせナレッジに蓄積する
・工場作業者のウェアラブル端末データから、作業の分析・可視化を行い、現場の改善施策に活用する

マルチクラウドゲートウェイの月額基本料は10,000円(税別、以下同)からで、100GB以上は1GBごとに100円課金される。また、初期費用が50,000円となっている。