カメラ本体に画像認識機能を搭載した監視システム

東芝情報システムは、長年取り組んできた組み込みシステム分野での画像認識技術を生かし、カメラ本体に画像認識機能を搭載した監視システム「CVNucleus VisCAM」(シーブイニュークリアス ビスカム、以下、VisCAM)の販売を開始した。

近年、「いたずらや盗難、不審者に対する安全・安心の確保」の需要が高まっている。あらゆる場面・場所で監視システムの導入が進められている。その一方、本格的な監視システムを導入するためには、ネットワークや電源の設備工事の他、大容量の映像データをセンター側に送り、蓄積する必要がある。そのため、初期費用や運用コストが高額になることもある。

今回提供を開始したVisCAMは、カメラ本体に画像認識機能を搭載した監視システム。初期費用や運用コストを抑えることができ、イベント会場や工事現場などでの一時的な利用も可能だという。

東芝デバイス&ストレージ製の画像認識プロセッサ「LSI Visconti」を用いてカメラ映像の人物を認識し、あらかじめ設定した立入り禁止エリアへの人物の立入りを監視する。また、立入り時の静止画を無線通信(Wi-Fi/モバイル通信)によって、モバイル端末などにリアルタイムで通知する。さらにカメラ本体のSDカードにもデータを保存でき、無線通信やバッテリ駆動によってネットワークや電源の設備工事が不要となる。

東芝情報システムでは、人物以外の認識など用途に応じたカスタマイズの他、ハードウェアやソフトウェアを個別に提供するサービスを準備している。VisCAMを活用したIoT(Internet of Things)ソリューションの構築支援、VisCAMの設計・開発資産を活かした顧客ブランド製品の開発支援などの幅広いニーズに応えられるという。

また、同社では今後、顔認識や動線抽出、空間認識など様々な画像処理をVisCAMに実装する計画。VisCAMを含むエッジコンピューティングに特化したIoT事業で年間10億円の売り上げを目指す。