情報通信
明日を駆け抜けるエンジニアが直面する課題
18ヶ月で半導体の集積度は2倍になる。ゆえに半導体を用いたコンピュータの性能も2倍になる。ムーアの法則に基づく成長カーブを満喫した20世紀後半が過ぎ、21世紀の17年が終わろうとしている今、エンジニアたちは曲がり角にいる。
自動車は電気で動き、高校生のポケットの中にもコンピュータがあり、人工知能(AI)が知的ゲームで最高位の人間に勝利し、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が台頭し始め、まもなく超高精細動画・放送が四六時中見られるようになる。技術開発は業界の垣根を越えて進められている。自転車も自動車も農園も、人や家も、店舗も町もICT(情報通信技術)と無縁でいられない。そして、ムーアの法則による既存のコンピュータ・アーキテクチャは、量子コンピュータのそれによって置き換わるかも知れない。
今日、日本ナショナルインスツルメンツは、「NI Trend Watch 2018」を発表。この年次レポートでは、かつてないスピードで訪れる未来に向けた技術的な進化について取り上げるとともに、技術者が2018年に向けて直面する重大な課題についても分析しているという。
AIの中核技術であるML「機械学習がもたらすイノベーション」として――、インテリジェントなシステムはデータを利用・創出するが、データ量の増加は際限がなく、巨大アナログ・データが抱える課題はさらに深刻化する。こうした問題をMLで対処することにより、エンジニアは来たる大きな課題に集中して取り組めるとした。
ほかに、「5Gの進化に追随可能なテストのプロセスとは」として、従来と異なるアプローチが必要になる、5Gの実現に向けて不可欠なものとは何であろうかとか、「モノを適切に管理するための3つの要素」を把握しておくことが重要だとか、「自動車の電動化:産業界に求められる大きな変革」だとか、「ムーアの法則の終焉、その先にある未来」について言及している。