自動運転、つながる車(コネクティッドカー)時代を目前に控えて、その対策が急務である。サイバー攻撃はいま、高度化し進化しつつ世界中に蔓延している。
インターネットに接続されている企業や団体、社会インフラのITシステムにおいて、システムを機能不全にしたり、一部あるいは全部のサービスを停止させた実例が最近も報告されている。あらゆるモノをつなげて便利で豊かな社会を実現する、その代償が命や財産であるなら、まったく話にもならない。
コネクティッドカーでのサイバーセキュリティ対策を実現するオートモーティブ侵入検知・防御システムを、きょう、パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社が開発したと発表。システムは、車載機に搭載する「監視モジュール」と同モジュールに連携する「監視クラウド」から構成されていて、自動運転車・コネクティッドカーの安全走行を確保し、今後の車載セキュリティの法規制化への対応を容易にするという。
攻撃の初期段階であるインターネットからの侵入、さらに第二段階である車載ネットワークへの侵入を検知できる。車載ネットワークとして、広く普及しているCAN(Controller Area Network)に加えて、Ethernetにも対応していて、車両全体の侵入を網羅的に検知することが可能。複数の車載機からの情報をクラウドに集約することで、攻撃がセキュリティの脅威として顕在化する前に検知可能といった特長を備えている。
車載機の監視モジュールは、クラウドでの監視ルール変更・更新によって、新しい攻撃にも対応できるため、出荷後も車両の安全を維持することができる。攻撃の予兆を捉えることで、対策検討を先んじて実施することも可能となり、攻撃の影響を最小限に抑えられるという。同システムは、今月「ITS World Congress 2017 (カナダ)」、来月「escar EU (ドイツ)」にて披露される。