AI、ロボット、そして自動運転のいま

世界の強豪と伍して、あるいは手を携えて研究開発が進められている。先端技術に人工知能(AI)があり、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」があり、ロボットがあり、これらは適用分野によって相関関係にある。自動運転、自動走行システムがその最たるものだろう。

近未来のクルマは知性を備え、ETCやVICS、GPSなどはもちろん信号等の社会インフラ、人の安全ともつながるITS(高度道路交通システム)に連動し自律走行する。コネクティッド・カーであり、走る、曲がる、止るをスマートにこなす、実証実験を重ねた上での究極のセーフティ・カーでなければならない。ゆえに世界中からAIを含むIT(情報技術)の英才が集い、制度設計でも世界をリードする米国に、自動車メーカー各社がその研究開発拠点を置くのだ。

そしてきょう、トヨタ自動車は、かの地でAI等の研究開発を行うToyota Research Institute社における自動運転技術等の開発の進捗状況を公にした。と同時に、自動運転に関する自社の考え方を包括的にまとめた「自動運転白書」も公表した。

自動運転技術について、TRIは今年3月に実験車を公開した直後から技術改良を重ねてきたという。今回、改良版での特長は次のようなものだ。

ディープラーニング(深層学習)やコンピュータ認識モデルにおける研究成果を反映した「より正確な認識モデル」、認識距離や映像処理能力が向上し立体的な物体の位置をより正確に把握でき、視野調整も可能な「新型LIDAR」、複雑な運転環境での安全かつ効果的な切り替えに資する機械学習アルゴリズムの開発に役立てる「助手席の運転装置」、ガーディアンとショーファーからなる「2つの自動運転モード」、そして「表示によるドライバー支援」。

ロボティクス(ロボット工学)とAIでは、人の生活を支援したり、感情や状況に応じた反応をしたりする研究が進められている。